世阿弥と教育のお話

                       春日大社
$子どもへ伝える大切なもの


日本舞踊の世界では、同じ曲でも流派によって振り付けは変わります。
同じ流派では、昔からずっと振り付けは一緒です。
去年と今年で変わる事はありません。

踊る人が変わっても、振り付けは同じです。
お師匠さんも同じ振り付けを覚えさせます。

生徒が新しい曲のお踊りを覚える時は、ひたすら型を覚えます。
師匠が踊るとおり、間もスピードも動きもすべて真似します。

「田中さんは明るい性格だから、ここの振りをこう変えよう」なんてありません。
皆一緒の動きをします。また、一緒になるよう指導されます。

しかし、不思議なことに舞台に登る頃になると個性が出てくるのです。
同じ振り付けなのですが、田中さんは田中さんの個性が滲み出ます。
それは佐々木さんも、東川さんもそうです。

生け花の世界も一緒です。
展覧会など行くと、その人らしい生け方をしているのです。
でも、流派のルールはちゃんと守っている。

この辺がヨシツネは非常におもしろいと思うのです。

これは「守破離」(しゅはり)という考え方からきていると思います。

能の世阿弥が「風姿花伝」で守破離という言葉は使われていないのですが
守破離の原型の考えが書いてあります。

この考えは武道や芸道の場で使われてきました。

『守』とは
道に入った者は、まず師匠の教えるとおり型を素直に学びます。
多くの話を聞き、所作も真似します。
そして指導者の価値観も学びます。
技法だけでなく、礼法もきっちり学びます。
この段階では、師匠の言う事はすべてYESです。

『破』とは
体に習得した型に疑問を持ったり、工夫したくなる段階です。
この時点ではもう初心者ではありません。
色んな試行錯誤をして、基本の型の上にアレンジを加えていきます。
しかし、多くは師匠の型の偉大さに改めて感じる事が多いようです。
それを踏まえた上で、さらに自分の型を工夫していきます。
あくまで師匠の基本がベースです。

『離』とは
型に囚われず自由な境地の段階です。
独自の道を追求していきます。
それは師匠から離れる事でもあり、新たな道の始まりでもあります。


こうして武道や芸道は伝統を継承すると共に発展させてきました。
離』の段階に至ったとしてもそれはゴールではありません。

終わり無き「道」の始まりです、そしてよりその人を成長させる段階に入ります。



この守破離の考えは、守破離という言葉は認識しなくても
永らく日本社会に浸透してきました。

学校や仕事や芸術の世界でもです。

小学校の授業では、読み書きそろばんは飽くなき反復練習です。
算数の公式をたとえ理解したとしても、何回も問題を解いていく事が一番身に付きます。
その基礎があるから応用問題も解けるようになります。

僕が思うには、人生での初期段階(小学生)くらいの時期は、
「守破離」で言えば「守」の段階です。

この時期こそ徹底的に基礎を教えこまない事には、人の発展は無いと思うのです。
国語、算数、歴史、理科、社会、道徳、体育問わずです。

「個性が大事」とか「子どもの人権、権利が大事」とか良く叫ばれますけど
本当にそうなの疑問に思います。

人としての道を学ばなくて、日本語の理解なくして
基礎は形成されないと思うのです。



伝統技術の世界では、後継者不足に悩まされています。
就職者は増えているそうですが、育たない、辞めてしまう事が多いそうです。

おもしろ半分に世界に飛び込んだけど現実は厳しく耐えられないのです。
伝統工芸士の世界では、12年以上の実務経験年数を有さないとなれません。
したがって、自分の技術でお金を稼ぐようになるのには
最低12年かかるという事です。

それまでは師匠に学び、お小遣い程度のお金をもらって技術を学びます。
しかし、みんなこの時期に辞めてしますのです。
基礎である「守」が我慢できないのです。


また、町工場のような中小企業でも後継者不足と高齢化に悩んでいます。
世界最先端の技術、そして日本経済を支えてきた技術を持ちながら
廃業する企業が後をたちません。

その技術力を支えてきた人材育成の「守破離」サイクルが機能しなくなっているのです。
「これではイカン」という事で外国人を雇ったり、工場を外国に移転させてりするようになってきています。海外移転は大企業ばかりではありません。中小企業の余裕のあるところ(まだ元気な)ところはどんどん海外に移転しています。
しかし、外国人に日本の国の為には働いてくれません、あたりまえですが。
結局、日本の経済を支えてきた先端技術が海外に流れていくのです。

ある金型の企業が中国に移転した話があります。
移転先の工場で現地人を採用して育てようとする日本の技術者がいました。
何年も中国人に技術を教え、やっと使えるようになった時
突然会社を辞めて、ライバルである中国企業に寝返ってしまいます。

日本の技術者は大変落ち込んでしまいました。
しかし、中国人は別に悪いと思っていません。
国民性の違いを理解していなかっただけです。


民主党などが労働力が足りないからと言って
外国人移民1000万人受け入れ」を推し進めています。
それはまったくナンセンスな法案であると思います。
拝金主義の経団連の動きにも要注意です。

しかし、じゃあ日本人は一体どうなんだという話になってきます。
嫌な仕事はやりたくない、しんどい事はしたくない。
でも、権利や給料はしっかり主張する

これでは、戦後苦しい時代に一生懸命働いてきた経営者には
まじめに働いてくれる(特ア除く)一生懸命な外国人の方が教え甲斐があります。

円でお給料をもらえるという事はアジアの人々にとっては大金です。
そりゃあ、喜んでまじめに働きます。

その辺を日本人は理解しておかなくてはいけないと思います。

政府も、移民政策が外国でみんな失敗している事を認識しているのでしょうか。
派遣社員や外国人の採用は、あくまで一過性の話です。

長期的に見れば、日本の経済は壊滅してします。
それは、未来の資産を今食いつぶしているに過ぎないのです。

もっと長期的に日本人の勤勉さを取り戻す教育改革や
先端技術の海外流出を防ぐために、知的財産権の保護や
企業の海外流出を防ぐための税制優遇や支援策を打ち出すべきです。



「守」「破」「離」

子どもの時からの鍛錬しかありません

それは心を養う事でもあるのです

それは600年以上も前に

世阿弥が感じていた事でもあるのです




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1. 移民


移民を受け入れている国で成功に近い例が
アメリカだと思うのですが、この国では移民に
重要な戦力になってもらおうと言う気は全く
ありません。

あくまでも移民は簡単なルーチンワークを
こなして、安い給料で働くロボットの代わりで
上司にとって気に入らない部下はいくらでも
交換がきく、そんな扱いです。

日本人がここまでドライに彼ら移民に接する
事ができれば、恐らくは移民政策も成功する
でしょう。けれど国民性が違いすぎます。

日本人は昔から師弟関係があって、親方は
一人前になってもらおうと弟子に色々と教えて
育てていく、弟子も親方から色々学び、一人立ち
した後は親方と共に共存していく。
しかし、移民の多くはお金が欲しいだけであり
親方から教わった技術を持って、より高い賃金を
くれる別な会社へさっさと移ってしまう。
彼らに一宿一飯の恩義なんてものは存在
しないので、何の疑問も持たないと思います。
長らく自国民だけで過ごしてきた日本人に
こうした海外の考え方は理解しづらいと思い
ますが、彼らに悪気はなく普通の事なんです。
日本国民がこうした理解なしに移民政策は
成功しないと思いますし、恐らく日本に移民
政策自体浸透しにくいお国柄だと思います。

現政府は単に海外の団体からの圧力に
従うだけでなく、こうした背景もしっかり捉えて
欲しいものです。

2. こんにちは


>にーるさん
コメントありがとうございます。
勉強になります。
おっしゃるとおりだと思います。
師弟関係があればこそ
弟子は師をもちろん裏切りませんし
師も弟子を必ず裏切れません。
そんな風土だからこそ技術大国になりえたのだと思います。

移民政策のデメリットとしては、治安の悪化もあります。フランス・ドイツの民族摩擦は酷いものがあります。
我々日本人はずっと島国育ちなので、抵抗意識が薄いのでしょうか。
気づいてからでは遅いのですが・・・

3. 守破離


だいすきなことばです。
なにごともこのやり方で学んでいけば間違いないと思っています。どの世界にも共通するたいせつな学びの考え方ですよね^^

4. こんばんは


>みずの式英語リスニング・発音の秘密の法則(ペタ一時休止中)さんコメントありがとうございます。
僕もそう思います。
守破離の段階で学んでいけば、どんな世界でも一流とまでは言いませんが、失敗は無いと思います。
師も弟も、お互い啓発する土壌があると思いますね!

5. 無題


ぉ久しぶりです(o>з<pq

何事も基本がきちんとなってなぃと駄目って事ですねo(>ロ<o)))

6. こんにちは


>晴香さん
コメントありがとうございます!

その人の個性が大事だからこそ
その人の成長を望むからこそ
基本が大事なのですよね!

何かに特別優れている方は
意外と分野を問わず優れているものです。
それは物事に対して基本的な考え方から
違うのでしょうね!

7. 無題


辻邦生さんの西行花伝にもその精神が書かれていました。雅とはどういうことか。非常に興味があります。

8. こんばんは


>ヘブンさん
コメントありがとうございます。
西行花伝に書かれているのですか。
勉強になります。
アマゾンのレビューにも素敵な書評がありますので一度読んでみたいと思います。
情報ありがとうございます!

9. ペタありがとうございました!


 「守破離」って素敵な言葉。言葉の響きも綺麗ですね。

 「学ぶ」は「真似ぶ」ことですから、おっしゃることが本当に良く解ります。私も同感でございます。
 教育に関しても、おっしゃることは本当に大切なことです。知識偏重と言われても、ある一定期間は退屈な勉強に忍耐する時期が必要です。理不尽や困難に直面しても、立ち向かって正々堂々と生きていく日本人を育てるべきです。

 愚民化政策の一環だった「ゆとり教育」が始まる前から、以前私は教員なんぞやっておりましたので、企業の方々から最近の新卒者が使えないという苦言を頂戴しておりました。

 今の文科省を頂点とする教育行政のあり方を抜本的に変え、指導能力と志が高い教師集団が多数派となって、日教組系教師やぐうたら教師を駆逐しないことには、次世代を生き抜く日本人が育たないのではないか?と憂慮しております。
 できれば、せめて教育を戦前の状態に戻したほうがいいとも思います。このような時代だからこそ、です。

10. ペタありがとうございました!


 「守破離」って素敵な言葉。言葉の響きも綺麗ですね。

 「学ぶ」は「真似ぶ」ことですから、おっしゃることが本当に良く解ります。私も同感でございます。
 教育に関しても、おっしゃることは本当に大切なことです。知識偏重と言われても、ある一定期間は退屈な勉強に忍耐する時期が必要です。理不尽や困難に直面しても、立ち向かって正々堂々と生きていく日本人を育てるべきです。

 愚民化政策の一環だった「ゆとり教育」が始まる前から、以前私は教員なんぞやっておりましたので、企業の方々から最近の新卒者が使えないという苦言を頂戴しておりました。

 今の文科省を頂点とする教育行政のあり方を抜本的に変え、指導能力と志が高い教師集団が多数派となって、日教組系教師やぐうたら教師を駆逐しないことには、次世代を生き抜く日本人が育たないのではないか?と憂慮しております。
 できれば、せめて教育を戦前の状態に戻したほうがいいとも思います。このような時代だからこそ、です。
 長々と失礼いたしましたm(_ _ )m

11. 同感ですね。


>ケイさん
コメントありがとうございます。
退屈な作業ほど、奥が深いものだと思いますね。
ころころ変わる事ほど、無駄なことは無いと思います。
かつては教職員は聖職であり、威厳がありました。子も親も完全に信頼していました。
日教組のような集団が、個人主義を加速させ、生徒と親と教師と学校の信頼関係まで壊してしまった要因のひとつであると考えます。

教師も人の子です、おっしゃるとおり、その人の子を育てる教育から考える必要があるようです。
それは昔日本で行われていた教育に戻すことでもありますね。
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